わびさび

 今日はバイトが休みだった。7時過ぎまで布団のなかでウダウダして、それから起き上がって朝食を食べた。ごま油と醤油で和えたアボガドサラダ、ココナッツオイルとはちみつをかけた豆乳ヨーグルト。定番のメニュー。

腹ごしらえをした後、学大のドトールへ。朝はだいたいガラガラで、店に入ると「お好きなお席へどうぞ」と言われた。窓から1席分離れた二人掛けのテーブルに座ってカフェインレスコーヒーを頼んだ。

じっくり考えごとをしようと企んでいた。赤ペンと画板に挟んだスケッチペーパーに、来年のなんとなくのスケジュールを書き殴った。スケジュールに捉われるのは嫌だけど、全くなんの計画もなく動くのも無理だから、”なんとなく”計画を立てた。この「なんとなく」の精度というか輪郭というかぼやけ具合みたいなものが大事。「予定」はちょっとボカした方が、生活にいい味が出る。

90分ぐらいたってドトールを出た。ヘッドホンを首にかけっぱなしにした。次の電車移動では、音楽を聴くことにした。haruka nakamuraの『Nujabes PRAY Reflections』。学大から急行に乗って渋谷に向かった。

渋谷駅で降りてABC(青山ブックセンター)に向かった。ごちゃごちゃ渋谷の地下から地上へ出てきて、青山方面に向かって歩いた。ヘッドホンからイヤホンに切り替えて、片耳はフリーにした。街の音と楽器の音。両方に耳を澄ませた。

ABCについたのが10時17分で、開店時間まで13分余っていた。肌寒い朝が過ぎて外気が温まってきていたから、ヒートテックを脱ぐことにした。トイレの個室でヒートテックを脱いで、自販機で水を買って中庭っぽいところでボーッとした。この時期、朝と昼の寒暖差に適応するのにも、簡単なコツがある。朝に余計に着込んで、昼間に「余計なもの」を脱いでいくのだ。太陽の下では、余計なものはいらない。

開店時間になったので店内に入った。目当ては『BIO HACKING』。

ABCの入り口の扉を跨いで、すぐ右側の「おすすめコーナー」みたいなところが好きで、最初はだいたいここを物色する。あんまり長居する「予定」はなかったので、さらっと回ろうと思った。『肌に流れる透明な気持ち(伊藤紺さんの歌集)』と『スペクテーターのわびさび特集』が気になって、この二つも買うことにした。

今月はあんまり本を買う「予定」はなかったけれど、まぁいいやと思った。

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