2023.07.02
今日は「セルボヌ」というカフェに行った。このカフェで「根」とか、「色」について考えた。
このカフェは、素敵な夫婦が二人で営んでいた。白が基調の店内には、ポップな現代アートが飾られていた。窓際の席に座って、アイスコーヒーとレーズンバターのクロワッサンサンドを頼んだ。
表面が「コーディング」されていた、パリッパリのクロワッサン。ツヤツヤしていた。そのツヤツヤしたクロワッサンに、溶け出しそうで溶けないような、”しゃんとした”バターが挟まっていた。その”しゃんとした”バターには、「黒にちかい青」のレーズンが、斑点になって埋まっていた。なんだか「色気」のあるパンだった。
店のなかは、明るくて落ち着く場所だった。「落ち着く場所」というと、どこか「暗い場所」をイメージしてしまう。「明るい場所」より「暗い場所」の方が、なぜか落ち着ける。そういうイメージがある。
「暗い場所」の方が落ち着くのは「根暗」だからだろうか。
自分が根暗なのかどうか考えてみた。
考えてみたけれど、自分の「根」に何があるのか、よくわからなかった。
でも、きっと人間には明るさも暗さも両方必要で、普段から明るい場所にいすぎると、暗さが足りなくなってくる。だから、明るい場所にいすぎる人は、「暗い場所」の方が落ち着くと感じるんだろう。
ぼくはいま、どっちにいるんだろうか。どっちの場所で、より多くの時間を重ねているのだろうか。「明るい場所」か「暗い場所」か。「暗い場所」の方が落ち着くイメージを持っているから、「明るい場所」の方で生きていることの方が多いように思う。
でも、セルボヌにきて、この「明るい場所」は落ち着くなぁと思った。暗くないのに、落ち着く。この店の「根」には、何があるんだろう?
色気のあるパンを頬張りながら、そんなことを考えていた。そんなことを考えながら、色気のあるパンを頬張っていた。
”ツヤツヤ”のクロワッサンが陽の光に照らされていた。ツヤツヤで”テカテカ”のパンになっていた。ツヤツヤでテカテカのパンの”パリッパリ”の食感。賑やかな食感のパンだった。その賑やかなパンの食感が残った口で、アイスコーヒーを啜った。プラスチックの容器に入った、「薄暗い色」のコーヒーを啜った。
「賑やかなパン」と「薄暗いコーヒー」は、マッチしていた。
明るくて落ち着く店内に、よく似合っていた。