ブーゲンビリア

      危機管理ってなんだろうとずっと考えている。 その考えがすこし開けてきた。 「災い」は今のなかに種として存在していて、その種が育ちすぎないように傘をさすのが危機管理というものじゃないか。 この世から災いは消せな...

まほろば

      朝起きたとき、「今日は夢を見なかったなぁ」と思った。 でも起き上がって顔を洗っていると、ハッと思い出した。 弟と誰かの葬式に参列していた。 お焼香の台の前に凛とした顔で座っているお坊さんがいた。 そのお坊さん...

よく噛んで

      スタバから出て、近くのやよい軒にいった。 10時過ぎだった。 那須味噌と焼き魚の定食を、ガラガラの店内で食べながら窓の外を眺めていた。   「大名行列」という言葉が頭に浮かんだ。 近所の大学の学生たちが列をな...

鳴らない!

      すこし寝ようと思ってヘッドホンとアイマスクをつけて仰向けになった。 曇りの日の朝。冷えた部屋。 目を閉じるまえに30分後に起きたときの感覚を体に覚えさせ、祈るように目を瞑った。 キラキラした鐘の音がする。その...

まだかな

      8時32分にiPhoneのアラームを止めた。 生温かくなった布団の上で「はえーなぁ」と思いながら、「でもまぁいいや」と思って頭をグルグル回転させ始めた。 あと15分ぐらいしたらバスがくる。 ちゃちゃっと顔を洗...

ピー、ピー

      日曜日の朝、朝刊がおわって家に帰ってきたとき「今日はじょうずに家でくつろげそうにないな」と思った。 早めに外に出て気分を変えようと思った。   9時前に武蔵小山へ向かった。 Audibleで山本七平の『空気の...

ダイヤモンドの中心

      2時20分に店に着いた。 店に到着したとき、友だちがタバコを吸っていた。 自転車のライトがそこにいた友だちに当たった。通勤の道のりを照らしていた自転車のライト。   目を細めながら「眩しい」と言った友だち。笑...

残ったホコリ

      11時半ごろに目が覚めた。 朝、コーヒーを飲んだからか、目覚めたときに気分がアガっていた。布団の中で観念が掃除機の音みたいに錯綜していた。 なんだか戦闘的な気分だった。 枕元に置いてあった『バガヴァッド・ギー...

帰りの海

      「順番」はちがっても、なんとかなる。       五島美術館の門をくぐった。 門をくぐったとき、消防で働いていたときに予防査察で訪れた「寺」のことを思い出した。   隊長と査察を終えたあと、近くに止めていた消...

鳳蝶の注文

      朝の9時半ごろだった。 簡易書留で送る予定の封筒を片手にもちながら家から郵便局までの道を歩いた。 ピンピンに晴れた住宅街を歩いていると小学生のころにテレビでやっていた「ビフォーアフター」を思い出した。 引っ越...